
最近ニュースにはなっていませんが、熊が多数出没しています。
去年の秋に、紅葉の取材で利賀村の林道を車で走っている時、横を黒い物が
一緒に走り始めたので、よく見ると大きな熊で、走る物を追い掛ける習性が
あると聞き恐怖を感じた事がありました。
そこで今日は、長年森林やスキー場の救急隊長として、海外でも活躍された
田中さんに熊について色々聞きました。
「最初に2つの鈴の音色を聴きて下さい。最初は小学生のカバンに付けられた
熊鈴の音です。次は海外の森林関係者が付けている熊鈴です。
日本では殆ど売られていませんでしたが、最近は南部鉄で作られた物が
あります。それは、丈夫な皮ベルトに真鍮製鈴をリベットで横向きに付けて
ある為、音は山や谷に広がって伝わります。
そして、鈴は1つ1つ手造りの為、1つ1つ音が違い、その鈴が2個3個と
ベルトに付いているため、その人その人の音の違いになり、熊は『田中さんが
また山に仕事に来ている』や『山田の爺ちゃんが居そうだから避けて通ろう』
等と個人を認識します。熊という漢字は、能の下に足が付いているくらい、
非常に頭が良く臭覚は犬の7倍あり鋭いと言われています。
熊が冬眠から目覚めるのは、昔は11月中旬から4月下旬でしたが、
最近は12月から3月までと半分になっています。又、温暖化のため
冬に生まれた子供が、良く育ち熊の個体数が年々増える原因になっています。
増えた熊は、ドンドン山から押し出され、里に押し出されています。
そのため、熊と遭遇しないように、最初に聞いて頂いた小さく頼り無い
音では無く、もっと大きな音の出る熊鈴かラッパを持たせて欲しい。
又、これから山菜採りや渓流釣りや山登りの人は、音の出るものを
鳴らしながら山に入ってください。
熊から見れば、大好きなすす竹や岩魚などを取って行く、不法侵入者です。
『山に入りますのでよろしく』くらいの気遣いが必要です」
私は、コロナにもデスタンス、熊にもデスタンスだと思いました。