いよいよ紅葉シーズンになりました。
称名滝や有峰湖や白山下部は、今が盛りで鮮やかさを競っています。
今日は、ほとんど知られていない、金沢市の紅葉の穴場を紹介します。
医王山(イオウゼン)は、石川県金沢市と富山県南砺市にまたがる、
標高939メートルで長さ9キロの山塊です。
日本三名山の白山を開いた泰澄大師(タイチョウダイシ)が、719年(養老3年)
に開山し、薬草が多い事から医王山と名付けられました。
その医王山には有名なトンビ岩があり、富山県側からは傾斜40度の鎖場を
登ります。私は若い時に鎖を頼りに登りましたが、非常に怖かったです。
その鎖場の鎖が、鉄製の為、錆びて切れそうな所もあり、石川県側から
登りました。石川県医王山ビジターセンターから、林道を約40分程歩くと、
トンビ岩の真下にある、大沼(オオイケ)に着きます。
大沼は、約4500平方メートル有り、池の中央に向けて植物が腐敗して
堆積した物に植物の根が張った出来た「浮芝」が張り出しています。
その大沼の近くに、三段に落ちる落差20メートルの三蛇ヶ滝(サンジャガタキ)
や、季節や時間によって泉の色が変わる、三色泉(サンショクセン)が有ります。
先日、昔のお嬢さん二人と私の三人で行ってきました。
医王山は「熊の巣」と言われるくらい熊の多い山で、熊鈴は勿論、懐メロを
大きな声で歌いながら林道を進んで行くと「ガサガサ」と音がすると「キャ
ー」と、私の後ろにすがり付きました。私は仕方なく覚悟を決めて登山棒を
前方に構えました。しかし、単なる突風だったのか音だけでした。
トンビ岩と大沼は、紅葉が真っ盛りで、大沼に映る空に突き出た三角形の
トンビ岩のコントラストが、林道を歩いて来た疲れを忘れさせてくれました。
又、林道には大きな方葉の落ち葉で埋め尽くされ、歩くと「ガサガサ」と
大きな音が聞こえ、童心にかえり足で蹴飛ばし、笑いながら進みました。
行き帰り約2時間のハイキングで、小鳥のさえずりや落ち葉の踏み締める音を
聞き、森林浴をしながら歩き、気持ちも身体も心のリフレッシュして、
これぞ名実ともに「医王山」でした。