今日も35度以上の猛暑日ですが、皆さんは食欲がありますか?
こんな日は、トコロテンが一番!
トコロテンは、『心太』と漢字で書きますが、これは天草を煮出して
固める(煮凝る)この凝るが心を表し、天草は太いを表し『心太』となる。
トコロテンは、古くから食べられていて、奈良時代の正倉院の木簡に、
『心太』と記述がありますから、今から約1300年前から食べられていた。
私が生まれて初めてトコロテンを食べたのは、小学一年生の時でした。
私が生まれた所は、石動の町から約6キロの山あいの村で、
それまでトコロテンを食べた事がありませんでした。(田舎のワンパク坊主)
初体験の時は、今日のように物凄い熱い日に、お婆さんに連れたれて、
石動の寺参りについて来た時でした。
当時の田舎の夏の定番食はそうめんで、トコロテンとの遭遇は「何これ?」。
キラキラの透明感や、その歯応えとチョット酸っぱいタレが気持ち良く、
一気に食べました。
その結果、腹が冷えて緩くなりトイレへ直行した恥ずかしい体験があります。
この熱い日に「食べる物は冷たいのに、作るのは汗だくです」と言われる
小矢部市内の食堂へ、作る苦労を聞きに行きました。
先ず、晒した天草に異物がないか調べ「チョットでも異物が有ると、透明感が
無くなり味も変わって来るから、何回も何回も調べます。
その後、この鉄釜で煮て、その煮汁を濾して出来上がりますが、
朝4時から始めて出来上がるのは、午前9時頃です。
大変な手間がかかるわりには、単価が安く、年々同業者は減っています」
私は今日の昼、この食堂のトコロテンと市販のトコロテンを並べて、
食べ比べると、食堂のトコロテンは、かすかに磯の香りがあり、
歯応えがあり、一本一本が透明で角が直角でした。
食堂のお母さんは「このトコロテンの切り口が大事で、毎年秋には京都の
専門店へ、つき棒とつき箱を出して修理しています」
最後に与謝野蕪村の句を『ところてん逆しまに銀河三千尺』
私達凡人には、考えも付かない句ですね。